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Japanische Klassiker mit Furigana

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パンドラのはこ

パンドラの匣

太宰 治

Lesen Sie パンドラの匣 (パンドラのはこ) von Dazai Osamu (太宰 治) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 192.644 Zeichen · 386 Bildschirme

Aozora Bunko

と挨拶を返したらすぐに、「この代数の問題を解いて下さい。」と言ってノオトブックを僕の鼻先に突きつけた。ずいぶん失敬だと思った。この人とは、小さい時分、よく一緒に遊んだものだが、それにしても、久し振りで逢って挨拶のすむかすまぬかのうちに、「この問題を解いて下さい」は、ずいぶん失敬な事だと思う。なにか僕たちに敵意でも抱いているのではないかとさえ疑われた。皮膚も見違えるほど黒くなって、もうすっかり、浜の青年になっている。

「出来そうもないなあ。」と僕は、ノオトブックの問題を、ろくに見もせずに言ったら、

「だって、あんたは大学へはいったんでしょう?」と詰め寄る。まるで喧嘩口調だ。僕は、とてもいやな気がした。

「どこからお聞きになったのですか?」と兄さんは、おだやかに尋ねた。

「きのう電報が来たそうじゃないですか。」と繁夫さんは意気込んで言う。「川越のおばさんから聞きましたよ。」

「ああ、そうですか。」兄さんは首肯いて、「やっとはいったのです。進は、ろくに受験勉強もしていなかったようですから、あなたにも解けないようなむずかしい問題は、やはり解けないでしょうよ。」と微笑んで言ったら、繁夫さんはみるみる満面に喜色を湛えて、