Japanische Klassiker mit Furigana
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パンドラのはこ
パンドラの匣
Lesen Sie パンドラの匣 (パンドラのはこ) von Dazai Osamu (太宰 治) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 192.644 Zeichen · 386 Bildschirme
五月八日。月曜日。
雨。きょうは学校を休んだ。何が何やら、さっぱりわからなくなって、この貴重な一週間を、いったいどうして過したのか、学校へ行っても、そわそわして、何でもないのに、にやにや笑ったり、家に帰っては、やたらに部屋の整頓ばかりして、そうして、参考書は一冊も読まなかった。ただ、部屋の中で、うごめいているのである。気持は、刻一刻と狼狽し、こうして日記を書いていても、手が震えるのである。つまり、あの、緊張したような、胆を失ったような、厳粛なような、からっぽのような、それでいて、絶えずはらはらして、絶間なくお便所へ行っては、よしやろう、勉強しようと、武者ぶるいして部屋へ帰って、また部屋の整頓である。ゆるしてもらえないだろうか。だめなのである。どうにも、落ちつけないのである。言いたい事、書きたい事は山々ある。けれども、いたずらに感情が高ぶって、わくわくしてしまって、坐って居られなくなるのだ。そうして、ただやたらに部屋の整頓である。こっちのものを、あっちへ持ち運び、あっちのものを、こっちへ持ち運び、まるで同じ事を繰り返して、独りで、てんてこ舞いをしているのである。