Japanische Klassiker mit Furigana
ja-reading.com
Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.
パンドラのはこ
パンドラの匣
Lesen Sie パンドラの匣 (パンドラのはこ) von Dazai Osamu (太宰 治) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 192.644 Zeichen · 386 Bildschirme
」
「妙な事を言うね。」横沢氏は、鈍感な人である。軽い口調でそう言って、シガレットケースから煙草を取り出し、一本口にくわえて、「マッチないか?」と、隣の上杉氏からマッチを借り、煙草に点火してから、「役者の使命はね、外に向っては民衆の教化、内に於ては集団生活の模範的実践。そうじゃないかね。」
僕は、あきれた。落第したほうが、むしろ名誉だと思った。
「それは、役者に限らず、教化団体の人なら誰でも心掛けていなければならぬ事で、だから僕がさっき言ったように、そんな立派そうな抽象的な言葉は、本当に、いくらでも言えるんです。そうしてそれは、みんなうそです。」
「そうかね。」横沢氏は、けろりとしている。あまりの無神経に、僕は横沢氏を、ちょっと好きになったくらいであった。「そういう考えかたも、面白いね。」滅茶滅茶だ。
「朗読をお願いしましょう。」上杉氏は、ちょっと上品に気取って言った。その態度には、なんだか猫のような、陰性の敵意が含まれていた。横沢氏よりも、こっちが手剛い。そんな気がした。
「何をお願いしましょうか。」上杉氏は、くそ叮嚀な口調で、横沢氏に尋ねるのである。「このひとは、程度が高いそうですから。