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Japanische Klassiker mit Furigana

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パンドラのはこ

パンドラの匣

太宰 治

Lesen Sie パンドラの匣 (パンドラのはこ) von Dazai Osamu (太宰 治) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 192.644 Zeichen · 386 Bildschirme

Aozora Bunko

みんな折れて倒れるのです。

そしてその屍で掩われている谷の上を

風はひゅうひゅうと吹いて通っています。

あなた、あの高い所と、

遠い所と、近い所とにする声が聞えますか。

此山を揺り撼かして、

おそろしい魔法の歌が響いていますね。

「僕には朗読できません。」ざっと黙読してみたのだが、このメフィストの囁きは、僕には、ひどく不愉快だった。ひゅうひゅうだの、ぎゅうぎゅうだの不愉快な擬音ばかり多くて、いかにも悪魔の歌らしく、不健康な、いやらしい感じで、とても朗読する気など起らなかった。落第したっていいんだ。「ほかの所を読みます。」

でたらめに、テキストをぱらぱらめくって、ちょっと佳いところを見つけて、大声で朗読をはじめた。第二部、花咲ける野の朝。眼ざめたるファウスト。

上を見ればどうだ。巨人のような山の巓が、

もう晴がましい時を告げている。

あの巓は、後になって己達の方へ

向いて降りる、永遠の光を先ず浴びるのだ。

今アルピの緑に窪んだ牧場に、

新しい光や、あざやかさが贈られる。

そしてそれが一段一段と行き渡る。

日が出た。惜しい事には己はすぐ羞明しがって

背を向ける。沁み渡る目の痛を覚えて。