Japanische Klassiker mit Furigana
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パンドラのはこ
パンドラの匣
Lesen Sie パンドラの匣 (パンドラのはこ) von Dazai Osamu (太宰 治) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 192.644 Zeichen · 386 Bildschirme
「進は、合格しても、あまり嬉しそうでないじゃないか。」兄さんも、そう言っていた。
「考えてみます。」僕は、まじめに答えた。
今夜は、兄さんと、とてもつまらぬ議論をした。たべものの中で、何が一番おいしいか、という議論である。いろいろ互いに食通振りを披瀝したが、結局、パイナップルの鑵詰の汁にまさるものはないという事になった。桃の鑵詰の汁もおいしいけど、やはり、パイナップルの汁のような爽快さが無い。パイナップルの鑵詰は、あれは、実をたべるものでなくて、汁だけを吸うものだ、という事になって、
「パイナップルの汁なら、どんぶりに一ぱいでも楽に飲めるね。」と僕が言ったら、
「うん、」と兄さんもうなずいて、「それに氷のぶっかきをいれて飲むと、さらにおいしいだろうね。」と言った。兄さんも、ばかな事を考えている。
たべものの話をしたら、やけにおなかが空いて来たので、食通ふたりは、こっそり台所へ行って、おむすびを作ってたべた。非常においしかった。
ニヒルと、食慾と、何か関係があるらしい。
兄さんは、いま、隣室で、小説を書いている。もう五十枚以上になったらしい。二百枚の予定だそうだ。