Japanische Klassiker mit Furigana
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けんきょうじゅなん
剣侠受難
国枝 史郎
Lesen Sie 剣侠受難 (けんきょうじゅなん) von 国枝 史郎 (くにえだしろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 195.479 Zeichen · 394 Bildschirme
「は」というと三十格好、ほおひげの濃いさむらいが、「天文十八年かと存じます」
「まず及第、その辺であろう。……これこれ隅庄、お前へ聞こう。名ある日本の武将の中で、どんな連中がキリシタン宗に、一番早く帰依したかな」
「は」というと三十二、三、薄あばたのあるさむらいが、「大友義鎮、大村忠純、有馬晴信というような西国方の大名が、帰依したように存じますが」
「まず及第、その辺であろう。……平戸平戸お前へ聞こう。もっと有名な中央の武将が、キリシタン宗へ帰依したが、その武将の名を知っているかな?」
「は」というと四十年輩、片耳欠けたさむらいが、「織田信長かと存じます」
「まず及第、その辺であろう。……唐津唐津お前へ聞こう。どうして日本の武将連が、キリシタン宗へ帰依したかな?」
「は」というと四十二、三、胸毛の多いさむらいが、「天帝如来を信仰し、現世においては安心を得、死して天国へうまれよう……」
「ははあ、それで帰依したというのか?」
「私、さように存じますが」
「零点だ、落第だよ」天草苦笑したものである。「なんの戦国の戦争請け負い人が、そんな悠長な考えで、異国の神なんか拝むものか。