Japanische Klassiker mit Furigana
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しんせい
新生
島崎 藤村
Lesen Sie 新生 (しんせい) von 島崎 藤村 (しまざきとうそん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 334.815 Zeichen · 663 Bildschirme
と祖母さんも次の部屋に居ながら言った。
「長々お世話さまでございました。難有うございました」
こう言いながら、岸本は改めて嫂の前に手をついて御辞儀した。それを見て義雄は軽く点頭いた。
「さあ、よしよし、御辞儀が済んだら子供はそっちへ行っといで」
と義雄に言われて、泉太は祖母さん達の居る次の部屋の方へ引きさがった。
何よりも先ず岸本は兄や自分の子供等への旅の土産を取出そうとした。跨ぎにくい敷居を跨いで幼いものの側まで帰って来て見ると、そこは彼の留守宅というよりも兄の住居というべき形であった。こうした父子の再会にも、そう慣々しく言葉をかわすことはまだ周囲の事情が許さなかった。
「どれ、お土産を出しますかナ。一ちゃんにも次郎ちゃんにもお土産がありますよ」
と岸本が言うと、嫂はそれを次郎に言って聞かせて、
「好いねえ。叔父さんがお土産を下さるッて」
「お土産。お土産」
子供は嬉しそうな声を揚げて、部屋中大威張で飛び廻った。
「これ、次郎、そう騒ぐんじゃ無いッて言うに。一番小さなくせに一番この児は威張りたがる」
と嫂に言われても、次郎は聞入れなかった。
岸本は旅の鞄から取出した帳面や色鉛筆やお伽話の本なぞを兄の年長の子供と自分の子供等との前へ持って行った。