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Japanische Klassiker mit Furigana

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しんせい

新生

島崎 藤村

Lesen Sie 新生 (しんせい) von 島崎 藤村 (しまざきとうそん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 334.815 Zeichen · 663 Bildschirme

Aozora Bunko

四十七

「叔父さん、お父さんは何か言いましたか」

と節子が家の方から洗濯物を擁えて来て一寸岸本の二階へ顔を見せた。彼女は父がこの二階で話したことを心配顔に訊いた。

「なんにもお前の話は出なかったよ」

と岸本は言って見せた。やがて彼は自分の紙入からいくらかの金を取り出して、それを節子の前に置いた。

「節ちゃん、これはお前の稼いだ分だ。お前はそのお金を全部お母さんの方へ進げておしまい。お前の生活費だけは毎月これから俺の方で保証してあげる。叔父さんも旅から帰ったばかりで、何もかも一人では容易じゃ無いんだが――」

「どうも済みません」

と答えながら、節子は叔父のこころざしを帯の間に納めた。

その日は岸本も例より早く二階を仕舞って家の方へ帰って行った。丁度家の格子戸の前で、古い池の方から長い黐竿を提げて戻って来る二人の子供と一緒に成った。一郎と繁だ。

「父さん。銀」

と繁は指の間に挾んだ青い銀色の蜻蛉を父に見せた。

「へえ。お前達はよくそれでも感心にいろいろな蜻蛉の名なぞを知ってるね」

と岸本が言うと、繁は一郎の方を見て、

「蜻蛉の名ぐらい知らなくって――ねえ、一ちゃん」

「叔父さん、言って見せようか」