Japanische Klassiker mit Furigana
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しんせい
新生
島崎 藤村
Lesen Sie 新生 (しんせい) von 島崎 藤村 (しまざきとうそん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 334.815 Zeichen · 663 Bildschirme
「そう言えば、叔父さんは何時見てもそう変りなさらない」と嫂が言った。
「そうでもありません」と岸本は自分の額へ手を宛てて、「髪がもうこんなに白くなっちまいましたよ」
「それに大分日に焼けて来たぞ」
と義雄が言った。
「私も先刻からそう思って見てるところなんですが」と愛子(根岸の姪)の夫も岸本の方を見て、「大分叔父さんは黒くなっていらしった。前にはお髭もおあんなすったようでしたね。どうしてあんな好いお髭を取っておしまいなすったか。何だかお顔がすこし変ったようにも見える」
「これでも、いくらか異人臭くなって帰って来ましたろうか」
こう岸本は言い紛わした。
仏蘭西の方で岸本が見聞して来た旅の話は、愛子の夫なぞの聞きたがることであった。大川端の方に住む田辺の弘――岸本が恩人の息子さんも、岸本の東京に着いたことを知って訪ねて来た。三年経って復た一緒に成って見ると、弘ももう立派なお父さんだ。この人の肥った体格は亡くなった恩人にますますよく似て来た。こうした旧馴染の客に加えて、旅の話を求めに来る新聞記者なぞもあって、ほとほと岸本は底疲れに疲れている自分の身を忘れた。
夕方には祖母さんの上げた燈明が仏壇のある部屋の方で光った。