Japanische Klassiker mit Furigana
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しんせい
新生
島崎 藤村
Lesen Sie 新生 (しんせい) von 島崎 藤村 (しまざきとうそん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 334.815 Zeichen · 663 Bildschirme
三十八
彼が現に負いつつある重荷も、義雄兄夫婦や祖母さんへの礼奉公も、すべては彼女のためと考えるように成った。何よりも先ず彼は節子の身から養ってかからせたいと考えた。彼女の虚弱、彼女の無気力は、雑草の蔓るに任せた庭のように、あまりに関わずにあるところから来ていると考えたからで――止むを得ない家庭の事情から言っても、人を憚りつづけて来たような彼女自身の暗い境遇から言っても。
岸本はまた親掛りでいる節子に働くことを教えようとした。今まで通りにして暮して行くにしても、すくなくも彼女のために自活の面目の立てられる方法を考えてやりたいと思った。それには彼は自分の仕事を手伝わせ、談話を筆記することなぞを覚えさせ、その報酬を名としていくらかでも彼女を助けたいと考えた。そうして節子に働くことを教えるばかりでなく、どうかして生き甲斐のあるような心を起させたいと願った。
この発案は郷里の方から戻って来た義雄兄を悦ばした。嫂をも悦ばした。
「節ちゃんは手が悪いと言っても水仕事が出来ないだけで、筆を持つには差支が無いんでしょう」
と岸本が言うと、嫂と一緒に居た祖母さんも口を添えて、