Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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しんせい

新生

島崎 藤村

Lesen Sie 新生 (しんせい) von 島崎 藤村 (しまざきとうそん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 334.815 Zeichen · 663 Bildschirme

Aozora Bunko

ある時は酣酔した人のように、一日も二日も眠り続けた。我等の肉体はある意味から言えば絶えず病みつつあるのかも知れない。それを忘れていられるほど平素あまり寝たことの無い私は、こういう場合に自分で自分の身体を持てあました。ある時はもっと重い病でも待受けるような心持で、床の上に眼が覚めることがあった。不思議な戦慄が私の全身に伝わった。それが障子の外に起る町の響か、普通の人の感じないような極く軽いかすかな地震か、それとも自分の身体の震えか、殆ど差別のつかないものであった……多くの悲痛、厭悪、畏怖、艱難なる労苦、及び戦慄は、私の記憶に上るばかりでなく、私の全身に上った――私の腰にも、私の肩にまでも……いかなる苦痛もそれが自己のものであれば尊いような気もする。すくなくも人は他人の歓楽にも勝って自己の苦痛を誇りとしたいものである。しかし私は深夜独り床上に坐して苦痛を苦痛と感ずる時、それが麻痺して自ら知らざる状態にあるよりは一層多く生くる時なるを感ずる度に、かくも果しなく人間の苦痛が続くかということを思わずにはいられない……曾て私は山から東京へ家を移す前に、志賀の山村の友を訪ねようとして雪道を辿ったことがある。