Japanische Klassiker mit Furigana
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しんせい
新生
島崎 藤村
Lesen Sie 新生 (しんせい) von 島崎 藤村 (しまざきとうそん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 334.815 Zeichen · 663 Bildschirme
九十五
というのは一体何時頃から始まったんだろう。お前の方が俺よりも早いことだけは分ってる」
「いずれ手紙にしてお目に掛けますよ」
と節子は伏目勝ちに答えた。
その日は岸本は女の手を煩わしたいと思う細々とした仕事を一日節子に手伝って貰った。近くの町で彼は眼の悪い義雄兄のために手ごろな杖を見立てて買って来て置いた。その杖を持たせて節子を谷中の方へ帰した。
九十五
「先日お話のあったことを書いてお目にかけます。一番最初わたしの上った頃の叔父さんはほんとにこわい方でしたよ。だって、毎日々々あんなに黙って、こわい顔ばかりしていらしったんですもの。それに泉ちゃん達のことと言えば、前に不可と仰ったことでも、後でしてやればいいじゃないかって、叱られてしまうんですもの。どうして可いか解りませんでしたよ。ですからね、その頃はただ気遣いな、こわい方だったけれども、肩なんか揉んであげるように成ってから、だんだんこわくなくなりましたよ。そればかりでなく、今までわたしなんかもう本当に誰からもやさしくなんてして頂いたことは有りませんでしたから。家でも、根岸でも、学校でもね。わたしの周囲にあったものは、そうですね、こう威圧というようなものばかりだったんですもの。