Japanische Klassiker mit Furigana
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しんせい
新生
島崎 藤村
Lesen Sie 新生 (しんせい) von 島崎 藤村 (しまざきとうそん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 334.815 Zeichen · 663 Bildschirme
節子が一番心配しているのもこの泉太等のことだ。「泉ちゃん達の大きく成った日のことも考えて見なければ成りませんからねえ」とか、「泉ちゃん達が大きく成ったらどう思うでしょうねえ」とかは、そもそも岸本が節子に心を許した頃に彼女の口から聞いた言葉だ。この子供が大きくなって皆の読むものでも読んで見ようという日に、もし父の書いた愚しい書物なぞを開けて見たとしたら――もしその中に父と節子との関係を読んだとしたら――もし彼等の知らなかった腹違いの弟が一人この世に生きていることを発見したとしたら――それを思うと岸本は誰に隠そうとするよりも先ず自分の子供に隠さねば成らないような気がして、一切を皆の前に白状するというような行為の好いかどうかに迷わずにはいられなかった。
十月の第二の土曜に、節子は例のように谷中から通って来た。未だ岸本は節子と自分との関係をすっかり明かにしようというようなことを一つの考えとして自分の腹の中に蔵って置いて、彼女に話すことすら躊躇しているくらいであった。
「泉ちゃんが妙なことを訊いたぜ――」
と岸本は話の序に、泉太が彼の側へ来て尋ねたことだけを節子に言出した。