Japanische Klassiker mit Furigana
ja-reading.com
Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.
しんせい
新生
島崎 藤村
Lesen Sie 新生 (しんせい) von 島崎 藤村 (しまざきとうそん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 334.815 Zeichen · 663 Bildschirme
百四
節子の快い承諾を得たことは一層岸本の決意を堅めさせることに成った。その日節子が帰った後で、岸本は彼女の残して置いて行った言葉を思い出して見た。
「三年も待っていられたんですもの……何時までだって私は待ちましょう……」
百四
翌年の三月が来た。いよいよ岸本が思い立った懺悔を書く支度に移る前に、その時に成っても未だ残っていた小さな仕事を片付けようとする頃には、彼の周囲にあるものも種々に動き変って来ていた。渋谷に新居を構えた中根は妻子だけをその家に残して置いて、復た遽かに露領をさして出掛けて行った。大阪の愛子の許にいた岸本が末の女の児――君子は岸本の方で引取って養うことに成って、愛宕下へ帰って来ていた。この君子を加えてから岸本は三人の子供を連れて下宿する身となった。谷中の家では、節子の母親が流行の感冒に罹ったのが因で、それきりどっと床に就いていた。
嫂の病気は少しも快い方に向わないで、だんだん重くなって行きそうであった。それを岸本は自分で見舞に行った時に看て来たばかりでなく、谷中から来る種々な報告で知るように成った。節子の手紙を持って体温器なぞを借りに来る一郎の話で。