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Japanische Klassiker mit Furigana

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じろきちこうし

治郎吉格子 名作短編集(一)

吉川 英治

Lesen Sie 治郎吉格子 名作短編集(一) (じろきちこうし) von 吉川 英治 (よしかわえいじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 178.609 Zeichen · 362 Bildschirme

Aozora Bunko

――柄を持ち直して。

「さあ、来い一角」

「おう、退くな」

「何を」

ち、ち、ち、ち……と刃と刃の先が鳴り合った。

押す。もどす。――丈八郎は、挑みかけた。――フウッと、一角の技に引かれて、はいると一気に、

(この顔ッ)

と、真っ向を睨んで、斬りつけた。

だっッと、一角は、退がった。背なかを、襖にぶつけたので、襖は、次へ倒れた。ベリッと、それを踏んで、よろめくと、

(しめた)

と、丈八郎は、盲目的に、躍って、揮り下ろしたが、一角は、反対の方へ、ぽんと、飛びかわして、

(それは柱だっ)

と、罵倒した。

丈八郎の刀は、斜かいに、隅柱へ斬りこんだまま、抜けなかった。とたんに、うしろへ一角の刃を、感じたので、手を離して、振り向くせつなに、さっと、真っ赤なものが、自分の腕にも、胸にも、部屋にも、眸いっぱいに見えた。

ウーム……と、誰か、分らない呻きがながれた。行燈は、消えて、倒れた弾みに、ころころと、灯皿が白い煙の糸をひいて、独楽みたいに、部屋を廻った。

ウウム……と、二度目の苦鳴を聞いたとたんに、

「あッ――お信が」

と、発狂したように、お八重がさけんだ。

丈八郎も、一角も、はッと気を抜いて、