Japanische Klassiker mit Furigana
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じけいろく
自警録
新渡戸 稲造
Lesen Sie 自警録 (じけいろく) von 新渡戸 稲造 (にとべいなぞう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 168.224 Zeichen · 328 Bildschirme
して君の知らるる通り僕には妻もあり子供の二人もあることゆえ、自分は金がつまらないといって、山に引っ込んで妻子の苦労も顧みぬというほど、僕はいわゆる神聖な人にはなりかねる。また妻子を苦しめて自分のみ潔よいということがほんとの神聖とも思わない。天が我に子供を与えた以上は、彼らをして僕以上の者にするだけの義務は僕にある。また自分の妻についても、自分が世を去ったあとで寡婦として暮らすばかりも気の毒であるに、衣食に不足のことがあるようでは、なんとも天に対し妻に対し妻の家族に対して申し訳がないと思えばこそ、金の貴いこともいくらか知るが、今日のところでは幸い後顧の憂いがないだけになったから、なんだこの金はと思う気が常に僕の頭を去らない。
もっとも君の見らるる通り、僕の家には、装飾品もなければ骨董品もないし、また僕の着る着物は、家内のも子供のも同然、流行には添わない。友だちにもたびたび、せめて時計だけは金のに代えよなどともいわれるけれども、この銀時計は子供のときから持った慕しい記念物だから、これを離すわけにはゆかぬ、もっとも二、三ヵ月前に自動車を買ったので、やはり流行にかかわると笑った人もあったが、笑う者に説明する必要はないけれども、僕の真情を明かしていうと、僕の息子にだけは時勢に遅れさせたくない。