Japanische Klassiker mit Furigana
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じけいろく
自警録
新渡戸 稲造
Lesen Sie 自警録 (じけいろく) von 新渡戸 稲造 (にとべいなぞう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 168.224 Zeichen · 328 Bildschirme
人も知らず自身も知らずに受ける恩
。
であるから、僕は如何なる人が、如何なるほどに、僕のために心や身を労してくれたか、つぶさに考えて、これを常に心に銘じておきたいと思うのである。
人も知らず自身も知らずに受ける恩
ただこの事について心に記憶したきことは、明らかに我の耳に達したこと、あるいは我が目に映った行為のほかに、人も知らず、我れ自身も知らないでいる恩がたくさんあることである。かくのごとき恵みが人生の中に数限りなくあることを常に記憶に存しておきたい。たまには誰が告げるとはなしに、ふと心に有難味を覚えて、ほとんど相手知らずに帽を脱し、跪いて、有難さに、涙に咽ぶこともある。誰しも必ずこの経験があるだろう。もしこの経験のない人あらば、そは不幸な人である。天の恩はいうまでもなく、朋友や親などのすることに、とかく秘密にわたって、受ける本人は夢にも知らぬことがしばしばある。なにか面倒な事件があって、これを処理しに出かけると、案外にもすでに半分以上解決されておったなどということがある。
これは不思議と思って、だんだんその理由を質すと、前日友人が来て半以上悶着を解決しておいてくれたなどということが、数日あるいは時によっては数年経って初めて発見されることを自らも経験したし、世には必ず同じことを感じた人が数多あろう。