Japanische Klassiker mit Furigana
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じけいろく
自警録
新渡戸 稲造
Lesen Sie 自警録 (じけいろく) von 新渡戸 稲造 (にとべいなぞう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 168.224 Zeichen · 328 Bildschirme
標準高き勝利
標準高き勝利
かく思うと負けたことを遺憾とするははなはだ愚なりと思う。ことに勝負の標準が一時的、人為的、時勢的のものであれば、なおさらそうである。いわゆる負けたからとて自分の人格の下がる訳でもなく、また真価を傷つけるものでもない。これがためにあるいは無知の人の笑いを招くことはあろう。しかし笑いも無知の人の笑いなる以上は気にするほどのこともない。
しかるに世の中にはともするとただ勝てばよいと、決勝点の何たるを問わず一向に勝つことのみを快しとする者が多い。たとえば経済競争において勝負を争う時は金が決勝点である。この場合には善かれ悪しかれ、金さえ儲ければ勝利者と思う風がある。
今日普通に成功者と称する輩の中にも、いかなる方法によりて今日の位地を得たかというと、はなはだ怪しげな道を進んだことが分かる。少し高い決勝点に照らせば、まさしく敗北者と称すべき者で世に時めく者が少なくない。僕はあながち勝者を妬んで皮肉を吐く考えもなければ、誰がどうと具体的に指さすことを能くせぬが、かくのごとき人が世にありそうであり、またありと聞いている。世の中にはかかる人を重んじている。