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Japanische Klassiker mit Furigana

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じけいろく

自警録

新渡戸 稲造

Lesen Sie 自警録 (じけいろく) von 新渡戸 稲造 (にとべいなぞう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 168.224 Zeichen · 328 Bildschirme

Aozora Bunko

日本人ははたして恩知らずか

しかるに今は日本のすみずみに行ってもペンで通る。金の筆というよりはペンというほうがむしろ簡便である。さればとてペンなる言葉をかりて、古来あった筆の文字に代用することはない。そこで恩という言葉も発音の易きからとて、従来あった思想に代えたものか少しく疑いが起こる。恩なる観念はやはり儒教、仏教から入ったものでなかろうかと疑いが起こって来る。

僕は世の言語学者に望みたきは、いま用うる文字こそ漢音なれ、思想は大和民族の特長なりということを、言語のほうからも証拠を明瞭にする一条である。

日本人ははたして恩知らずか

単に右のごとくいうたなら、僕がアストンの説に反対の考えでも持ち、あるいは黒住の教えが黒住という個人より起こったもので、大和民族の代表的思想にあらざるとでも主張するごとくに聞こゆるだろうが、僕はあくまでも恩を知ることは神道の基礎、大和民族の美風なることを信じたいのである。

西洋人はともすると、東洋人は恩を知らないという。また我々とても相互に、彼奴は恩を知らぬ奴だといって悪口する。恩を知るをもって大和民族の特長などと誇っても、しばしば自分に顧みないと、人から受けた親切ほど忘れやすいものはない。