Japanische Klassiker mit Furigana
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じけいろく
自警録
新渡戸 稲造
Lesen Sie 自警録 (じけいろく) von 新渡戸 稲造 (にとべいなぞう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 168.224 Zeichen · 328 Bildschirme
反対説にも耳を傾ける度量を養え
これは人情だと思えばそれきりであるが、人情には違いなきも、矯むべき人情、怪しからぬ人情である。人は宜しくかくのごとき人情に甘んずるより、いっそう超然たる人情に達せねばなるまい。
甲が乙を評するにいろいろの悪しき点を述ぶるのを聞くとき、その批評の過てることを一々指摘し説明しても甲の偏見はなかなかになおるものでない。なにゆえかといえば、批評が客観的であるものならば矯正される望みもあるが、多くは主観的で批評する人が始めより曲解する精神でかかるのであるゆえ、どれほど反対の証拠を挙げてもなかなか心機一転しない。
たとえば某の衣服はよくないという。もしその悪い点が果たして衣服にありとすれば、衣服を代えればその非難はただちに消ゆるはずである。しかるに衣服を代えると、こんどはまた代えた新しき衣服を非難する。赤は派手すぎると悪くいう。白くすれば幽霊のようだと非難する。黄色にすれば坊主に似たりとか、紺色にすれば職工みたいだと言い、何を着ても批評する人の心が矯められぬ間は非難が尽きないものである。
反対説にも耳を傾ける度量を養え
衣服とか外形上のことならば、単に非難する人の心を不愉快ならしめ、非難される人の心を不愉快にするだけにてすむが、学術あるいは政治上の説が違う場合のごときは、自分の気に入りたる説なれば、大いに怪しい点があっ