Japanische Klassiker mit Furigana
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じけいろく
自警録
新渡戸 稲造
Lesen Sie 自警録 (じけいろく) von 新渡戸 稲造 (にとべいなぞう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 168.224 Zeichen · 328 Bildschirme
心から湧き出たものが真の言葉
手紙の文中に「恐縮の至り」「欣喜の至り」などあり、西洋でも書簡文には、その終りに Your obedient servant と記する礼法があるが、これを、
「貴下の柔順なる忠僕」
と直訳すると、邦文の「頓首」、「再拝」よりひどく聞こゆれども、この句の源はさほど卑屈の意ではなく、
「貴下に serve する、すなわち用に立つことあらばあまんじて従う」
の厚意を述べた語である。いったい日本語には敬語が夥しいから、人の葬式に悔みに行っても、心の中の半分だも思わぬことまで述べる。少し正直な人は惑わされる。古人の歎ける一首に曰わく、
偽りのなき世なりせばいかばかり人の言の葉はうれしからまし
心から湧き出たものが真の言葉
用言などは意さえ通ずれば、どうでもよきようなものの、悪意をもって用うれば、いかなる善言美語も不愉快の感を与える。ゆえに言葉などはどうでもいいという人は、まず心を善くせよとの前提がなくてはならぬ。『聖書』に「心に充ち溢れて言葉となる」とあるが、心から湧き出たものがまことの言葉である。
言の葉の声に心のあらはれてやさしき人の底井知らるゝ
僕は先に同一事実を別語で語りうるといったが、それと同じように同一言語をもって正反対の心を現すこともできる。