Japanische Klassiker mit Furigana
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じけいろく
自警録
新渡戸 稲造
Lesen Sie 自警録 (じけいろく) von 新渡戸 稲造 (にとべいなぞう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 168.224 Zeichen · 328 Bildschirme
二十代前後は感情のもっとも旺盛なとき、三十代前後は手腕のもっとも発達するとき、四十前後は知識のもっとも発達するとき、しかして五十前後は思慮のもっとも深いときである。
青年は知識にも思慮にもまた手腕においても、まだまだ不足あるかわりに、ある命令のもとに仕事するときはもっとも熱してあたる。これが彼らの特長なると同時に、方向を誤ることもまたこれより起こる。彼らは思慮も熟せず判断力も固くないから、見るもの聞くものその他すべて五感に触るるものによりて心の底までも動揺されやすい。かく動揺されるときは、さなきだに思慮分別の熟せぬ青年はいよいよ心の衡平を失い、些事をも棒大に思い、あるいは反対に大事を針小に誤る傾向がある。これも無理ならぬことで、実際のことにあたり責任の地位を踏めることなき者は、なかなかに自己の言行のおよぼす範囲を適当に計量することはできぬ。青年にこの弱点あることは青年自身も承知している。承知しているゆえ、いわゆる先輩の意見を叩き、職業を選定せんとするのである。
しかし先輩がいかに思慮あるとも、いかに判断力を備うるとも、青年がある事に熱するゆえんを容易に判断しうるものでない。