Japanische Klassiker mit Furigana
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じけいろく
自警録
新渡戸 稲造
Lesen Sie 自警録 (じけいろく) von 新渡戸 稲造 (にとべいなぞう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 168.224 Zeichen · 328 Bildschirme
途中でお止め申して、はなはだ失敬であるが、せっかくの望みであるから、見せていただきたい。主人が駕籠をおりてくるのが本当ですがあなたは乗馬が上手ですから、駕籠の前に来て見せてくださらぬか」
という。外人は得意になって、駕籠のそばに来たり鞍を見せんと下馬し脱帽して挨拶した。そのとき通訳官は、
「この外人はまことに恐れ入ったしだいであるといい、かく脱帽しておわびを申し上げています、何分にも命だけはお許しを願いたい」
と申し上げる。殿様も外人が下馬して脱帽しわびることなら許してつかわせといわれた。そこで通訳は外人に向かい、
「見事なお鞍を拝見してありがたい。駕籠のなかからはなはだご無礼ではあるが、まことにご苦労であったと厚くお礼を申しております」
という。外国人は恐縮し日本に来て大名と直接にお話したことは始めてで、名誉なことであると喜び、再三脱帽したあとで去った。通訳官はかく再三脱帽しておわびを申し上げていますと言うと、大名は、
「苦しゅうない、苦しゅうない」
最大侮辱を最大敬礼とした誤訳
翻訳というものはこうもできるものだ。しかしさらにはげしい翻訳の仕方もある。