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Japanische Klassiker mit Furigana

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どうひょう

道標

宮本 百合子

Lesen Sie 道標 (どうひょう) von 宮本 百合子 (みやもとゆりこ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 846.457 Zeichen · 1672 Bildschirme

Aozora Bunko

雪のこやみになっている夜道を中央郵便局の建築場に面したパッサージの入口まで来た。伸子たちは二人きりでそこまで来たのではなかった。例のピオニェールが送ってゆくと云って、ついて来ていた。

パッサージの入口で、素子が糸目のすりきれた黒ラシャの短外套の襟の間から赤いネクタイをのぞかせているピオニェールにわかれを告げた。

「じゃ、さようなら、家へかえって、寝なさい。もうおそいよ」

ピオニェールは、ちょっと躊躇していたが、

「あなたの室へよって行っていいですか」

いくらか哀願するように云った。

「ほんの暫くの間。――じきかえります」

伸子も素子も、子供が茶をのみたがっているのだと想像した。

「ピオニェールが、そんなに夜更していいのかい」

そう云いながら結局三人で素子の室へあがった。そのとき素子は、モスク※(濁点付き片仮名ワ、1-7-82)へついた一番はじめの晩に伸子と泊った室、あとでは長原吉之助がオムレツばかりたべながら二週間の余り逗留していた三階の隅の小さい部屋をとっているのだった。

素子の室へはいって外套をぬぎ、もちものをデスクの上や椅子の上においてひと休みするとピオニェールはめっきり陽気になりだした。