Japanische Klassiker mit Furigana
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パンドラのはこ
パンドラの匣
Lesen Sie パンドラの匣 (パンドラのはこ) von Dazai Osamu (太宰 治) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 192.644 Zeichen · 386 Bildschirme
よくよく慎重に考えて決定するように。」と、まるっきり僕の全存在を、黙殺しているような言いかただった。
僕はたぬきを殺してやろうかと思った。こんな失敬な教師のいる学校なんて、火事で焼けてしまえばよいと思った。僕はもう、なんとしても、四年から他の学校に行ってしまうのだ。五年なんかに残るものか。こっちのからだが腐ってしまう。僕は語学に較べて数学の成績があまりよくなかったけれど、でも、だから、それだから、毎日毎晩、勉強していたのだ。ああ、一高へはいって、たぬきの腹をでんぐり返してやりたいのだが、だめかも知れない。なんだか、勉強もいやになった。
学校の帰り、武蔵野館に寄って、「罪と罰」を見て来た。伴奏の音楽が、とてもよかった。眼をつぶって、音楽だけを聞いていたら、涙がにじみ出て来た。僕は、堕落したいと思った。
家へ帰ってからも何も勉強しなかった。長い詩を一つ作った。その詩の大意は、自分は今、くらい、どん底を這いまわっている。けれども絶望はしていない。どこかわからぬところから、ぼんやり光が射して来ている。けれども、その光は、なんであるか自分にはわからない。光を、ぼんやり自分の掌に受けていながらも、その光の意味を解く事が出来ない。