Japanische Klassiker mit Furigana
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パンドラのはこ
パンドラの匣
Lesen Sie パンドラの匣 (パンドラのはこ) von Dazai Osamu (太宰 治) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 192.644 Zeichen · 386 Bildschirme
豪傑肌とでも言うんだろうが、「坊や」は言い過ぎであると思う。十七にもなって、「坊や」と呼ばれて、「はい」なんて返事するのは、いやなことだ。返事をしないでプリプリ怒ってやろうかとも思うのだが、なにせ相手は柔道四段だそうだから、やはり怖い。自然に僕は、卑屈になるのだ。俊雄君と顔を合せると、しどろもどろになるし、鈴岡氏に対しては、おどおどするし、僕は、下谷の家へ行くと、だめになるのだ。きょうも姉さんから、遊びに来ないか、と言われて、つい、うんと答えてしまったが、それから、さんざ迷った。どうしても、行きたくないのだ。とうとう兄さんに相談した。
「下谷から、遊びに来いって言って来たんだけど、行きたくないんだ。こんな風の強い日に、ひでえや。」
「でも、行くって返事したんだろ?」兄さんは、少し意地が悪い。僕の優柔不断を見抜いているのだ。「行かなくちゃいけない。」
「あいたた! にわかに覚ゆる腹痛。」
兄さんは笑い出した。
「そんなにいやなら、はじめから、はっきり断ったらよかったのに。むこうじゃ待っているぜ。お前は四方八方のいい子になりたがるからいけない。」
とうとう説教されちゃった。