Japanische Klassiker mit Furigana
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パンドラのはこ
パンドラの匣
Lesen Sie パンドラの匣 (パンドラのはこ) von Dazai Osamu (太宰 治) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 192.644 Zeichen · 386 Bildschirme
僕はただ、おゆるし下さい、と、せつない思いで、胸の奥深いところで、神さまと兄さんにこっそりお詫びをしているばかりだ。僕は蒲団の中で、大きく身をくねらせた。からだの、やり場に窮したのだ。
「お前の日記を見たよ。あれを見て、兄さんも一緒に家出をしたくなったくらいだ。」と言って兄さんは、低く笑った。「でも、そいつぁ滑稽だったろうな。無理もねえ、なんて僕まで眼のいろを変えてあたふたと家出してみたところで、まるで、ナンセンスだものね。木島も、おどろくだろう。そうして木島も、あの日記を読んで、これも家出だ。そうして、お母さんも梅やも、みんな家出して、みんなで、あたらしくまた一軒、家を借りた、なんて。」
僕も、つい笑ってしまった。兄さんは、僕に気まずい思いをさせまいとして、こんな冗談を言うのである。いつでもそうだ。兄さんは、僕よりも、もっと気の弱い人なのだ。
「R大学のほうの発表は、いつだい?」
「六日。」
「R大学のほうはパスだろうと思うけど、どうだい、パスなら、ずっとやって行く気かい?」
「やって行ってもいいんだけど、――」
「はっきり言ったほうがいいぜ。やって行く気は無いんだろう?」