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Japanische Klassiker mit Furigana

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パンドラのはこ

パンドラの匣

太宰 治

Lesen Sie パンドラの匣 (パンドラのはこ) von Dazai Osamu (太宰 治) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 192.644 Zeichen · 386 Bildschirme

Aozora Bunko

それだから、兄さんは、とても怒ったのである。姉さんを、わがままだと言って、怒ったのである。鈴岡さんに、すまないというのであろう。鈴岡さんの方では、別れる気なんか、ちっとも無い。とても姉さんを気にいっているらしい。けれども姉さんは、理由もなく、鈴岡さんをきらってしまったのだ。僕だって、鈴岡さんを好きではないけど、でも、姉さんも、こんどは少しわがままだったのではないか、と僕も思う。兄さんの怒るのも、無理がないような気がする。姉さんはいま、目黒のチョッピリ女史のところにいる。麹町の家には来てもらいたくないと、兄さんがはっきり断った様子である。そうしたら、すぐに荷物を持って、チョッピリ女史のところへ行き、落ちついてしまったのである。どうも、こんどの事件には、チョッピリ叔母さんが陰で糸をひいているように、僕には、思われてならない。鈴岡さんは、ひどく当惑しているらしい。兄さんも、さすがに苦笑して話していたが、鈴岡さんは部屋を掃除し、俊雄君は、ごはんを炊いて、その有様は、とても深刻で、気の毒なのだけれど、どうも異様で、つい噴き出したくなる程だそうだ。それはそうだろうと思う。