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Japanische Klassiker mit Furigana

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パンドラのはこ

パンドラの匣

太宰 治

Lesen Sie パンドラの匣 (パンドラのはこ) von Dazai Osamu (太宰 治) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 192.644 Zeichen · 386 Bildschirme

Aozora Bunko

お母さんは、断然、姉さんの味方らしい。やっぱり姉さんを、いつまでも自分の傍に置きたいらしい。此の事件は、まだ、他の親戚の者には知られていないようだが、いまのところでは、姉さんの味方は、お母さんに、チョッピリ女史。鈴岡さんの味方は、兄さんひとり。兄さんは、孤軍奮闘の形だ。兄さんは、このごろ、とても機嫌が悪い。夜おそく、ひどく酔っぱらって帰宅した事も、二三度あった。兄さんは、姉さんより年が一つ下である。だから、姉さんも、兄さんの言う事を、一から十までは聞かない。兄さんは、でも、今は戸主だし、姉さんに命令する権利はあるわけだ。その辺が、むずかしいところだ。兄さんも、こんどの事件では、相当強硬に頑張っているらしい。姉さんも、なかなか折れて出そうもない。チョッピリ女史が傍に控えているんじゃ、だめだ。とにかく僕も、も少し内偵の度を、すすめてみなければいけない。いったい、どういう事になっているんだか。

きょうは兄さんに叱られた。晩ごはんの後で僕は、何気なさそうな、軽い口調で、

「去年の今頃だったねえ、姉さんが行ったのは。あれからもう一年か。」と呟き、何か兄さんから事件の情報を得ようと、たくらんだが、見破られた。