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Japanische Klassiker mit Furigana

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パンドラのはこ

パンドラの匣

太宰 治

Lesen Sie パンドラの匣 (パンドラのはこ) von Dazai Osamu (太宰 治) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 192.644 Zeichen · 386 Bildschirme

Aozora Bunko

「一年でも一箇月でも、いったんお嫁に行った者が、理由もなく帰るなんて法はないんだ。進は、妙に興味を持ってるらしいじゃないか。高邁な芸術家らしくもないぜ。」

ぎゃふんと参った。けれども僕は、下劣な好奇心から、この問題をスパイしているのではないのだ。一家の平和を願っているからだ。また、兄さんの苦しみを見るに見かねて、手助けしようと思っているからだ。でも、そんな事を言い出すと、こんどは、生意気言うな! と怒鳴られそうだから、だまっていた。このごろの兄さんは、とてもこわい。

夜は寝ながら、テアトロを読みちらした。

四月二十六日。水曜日。

晴れ。夕刻より小雨。学校へ行ったら、きのうもやはり、靖国神社の大祭で休みだったという事を聞いて、なあんだと思った。つまり、きのうと、おとといと二日つづいて休みだったのだ。そうと知ったら、もっと安心して、らくらくと寝ていたものを。どうも、孤立派は、こんな時、損をするようだ。でもまあ、当分は、孤立派で行こう。兄さんも、大学では孤立派だったらしい。ほとんど友人がない。島村さんと、小早川さんが、たまに遊びに来るくらいのものだ。理想の高い人物は、どうしても一時、孤立せざるを得ない工合になってしまうものらしい。