Japanische Klassiker mit Furigana
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パンドラのはこ
パンドラの匣
Lesen Sie パンドラの匣 (パンドラのはこ) von Dazai Osamu (太宰 治) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 192.644 Zeichen · 386 Bildschirme
でも、一週間も治療したらなおるくらいの軽いものだと聞かされて、すぐ、にこにこした。坊やの顔は、そんなに可愛くはないが、気味の悪いような個性がある。ひどく長い顔だ。案外、天才的な才能を持っているのかも知れない。僕たちは三時間ちかく調べられた。
春秋座から事務員のような人がひとり来ていた。帰りは三人、一緒だった。
「よかったですね。」とその事務員が言った。「はじめの願書は、樺太、新京などからも来て、ざっと六百通ちかく集ったのですよ。」
「でも、まだわからないんでしょう?」と僕が言ったら、
「さあ、どうでしょうかね。」とあいまいな返事をした。
合格ならば、一週間以内に、正式の通知が来るのだそうだ。僕たちは市電の停留所でわかれた。
兄さんに知らせたら大喜びだ。こんなに喜んだ兄さんを見た事がない。
「よかったねえ、よかったねえ、進は、やっぱり役者になるのがよかったんだ。六百人の中から二人とは凄いじゃないか。偉いねえ、ありがとう、僕は、もう、どんなに嬉しいか、――」と言いかけて、少し泣いた。滅茶滅茶だ。まだ、喜ぶには早いのに。
正式の通知の来ないうちは、気をゆるめてはいけないのだ。