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Japanische Klassiker mit Furigana

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みっつのあざ

怪奇探偵小説名作選1 小酒井不木集

小酒井 不木

Lesen Sie 怪奇探偵小説名作選1 小酒井不木集 (みっつのあざ) von 小酒井 不木 (こざかいふぼく) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 196.140 Zeichen · 396 Bildschirme

Aozora Bunko

「御尤もです。いえ、ただ大原という人の性格をよく知って置かねばならぬので、おたずねしただけです」

こういって警部は抽斗から、手箱の中にあったセルロイドの櫛を出し、

「この櫛に見覚えはありませんでしょうか?」といって谷村に渡した。

谷村は手に取って暫くながめていたが、

「見覚えありません」と答えて卓子の上に置いた。

「御病気のところを、とんだ御迷惑でした。然し、迷惑ついでに、あとでもう少しおたずねしたいことがありますから、お待ちを願います」

谷村が去ると、警部は朝井刑事を顧み、谷村にわざといじらせた櫛を鑑識課へ持って行って、谷村の指紋を採り、罎の指紋と比較して貰うように頼んだ。

朝井刑事は鑑識課へ行って戻って来るなり、霧原氏に向ってたずねた。

「何故、中島せい子の指紋を、同じようにお取りになりませぬでしたか?」

「僕は中島がクロロフォルムを使ったとは思わぬよ」

「でも、罎の指紋が大原のでないとすると、中島のかも知れません」

「そこだよ君、この事件の難点は、とにかく鑑識課の鑑定を待とう」

「何故、大原の握っていた手巾を谷村にお見せにならなかったですか」

「その必要がないからさ、手巾は谷村夫人のものに間違いないよ。