Japanische Klassiker mit Furigana
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みっつのあざ
怪奇探偵小説名作選1 小酒井不木集
小酒井 不木
Lesen Sie 怪奇探偵小説名作選1 小酒井不木集 (みっつのあざ) von 小酒井 不木 (こざかいふぼく) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 196.140 Zeichen · 396 Bildschirme
と、ひとり言のように呟いた。
そのとき、星村薬局に使ひした水野刑事が帰って来た。朝井刑事はいきなり水野刑事に向って、
「大原はきっとクロロフォルムを買ったのだろう?」とたずねた。
「いやちがう」と水野刑事は言った。「大原の買いにはいったのはインシュリンという薬だそうだ。けれど生憎品切れで、買わずにかえったそうだ」
霧原警部の顔は、この会話をきくと同時に、急に活気づいた。「水野君、君は、インシュリンが何の薬だか知っているか?」
「薬局でききましたよ。糖尿病の新注射薬だそうです。大原は二三年前から糖尿病にかかって居たそうですが、この新薬がアメリカで発見されると、すぐ取り寄せてもらって、自分で時々注射したそうです。この薬はなかなか用いにくいそうですが、大原はアメリカに居る時分、化学を習ったことがあるので、使用法を読んで手療治をしたのだそうです」
霧原警部は突然立ち上った。「朝井君、僕はこれから、解剖を見がてら、村山教授に逢って来ねばならぬ。この事件の秘密は糖尿病にあるかもしれないから、君はこれから谷村の家に行って留守居の人に、夫人のなくなった前後の事情をきいて来てくれたまえ」