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Japanische Klassiker mit Furigana

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みっつのあざ

怪奇探偵小説名作選1 小酒井不木集

小酒井 不木

Lesen Sie 怪奇探偵小説名作選1 小酒井不木集 (みっつのあざ) von 小酒井 不木 (こざかいふぼく) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 196.140 Zeichen · 396 Bildschirme

Aozora Bunko

兇行のあった日の夕方、男が始めて女の家を訪ねたそうです。女中はその男を見たとき左の頬にある痣のために、恐ろしい感じがしたそうです。すると、女は男を出迎えて、さもさも驚いたような顔をして、

「まあ、繁さん、あんた生きて居たの?」と申したそうです。「繁さん」であったか「常さん」であったか、女中ははっきり覚えて居ないと申したそうです。

それに対して、男は何か云ったそうですがよく聞きとれなかったということです。とりあえず女は男を奥の座敷に招じ入れ、頻りに密談して居たが、やがて女は、女中を御湯に行かせ、附近の料理屋で、二人前の料理をとって来るよう命じたそうです。

それから女中が帰って来るまでに凡そ一時間かかったそうです。四月末のこととて、もうその頃はすっかり夜になって居ましたが、家の中が静まりかえって居たので、不審に思って奥の座敷の襖をあけて見ると、女は首に手拭を巻かれて、仰向きに死んで居たそうです。女中は夢中になって交番にかけつけ、男の左の頬に痣のあることと、着て居た衣服の縞柄とを話したので、直ちに非常線が張られ、その夜の十時頃、男は上野駅で逮捕されたのだそうです。