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Japanische Klassiker mit Furigana

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みっつのあざ

怪奇探偵小説名作選1 小酒井不木集

小酒井 不木

Lesen Sie 怪奇探偵小説名作選1 小酒井不木集 (みっつのあざ) von 小酒井 不木 (こざかいふぼく) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 196.140 Zeichen · 396 Bildschirme

Aozora Bunko

医学の最大の任務は、病気そのものの治療にあるのではなくて、病気に対する恐怖心を除くにあると悟りました。

私は眠れない不安を除くために、妻を煩わしてモルヒネの注射をしてもらいました。とても通常量ではこの恐怖を除くことは出来まいと思って、少しく多量に注射をしてもらいました。するとどうでしょう。一時間経たぬうちに、恐ろしい不安はすっかりなくなってしまいました。そうして、いつの間にか、心地よい夢路を辿って居りました。あなたはモルヒネを摂った経験がおありですか。又、『オピアム・イーターの懺悔』という書を御読みになったことがありますか。兎に角、モルヒネを摂ると夢とも現ともわからぬ一種の快い世界へ引きこまれて行きます。その世界には恐怖というものがありません。それは時間と空間とを超越した快楽の園です。

ふと、気がついて見ると、私の耳のそばで虻のうなるような音が聞えました。はてなと思って耳を澄ますと、シュー、シューという水の迸るような音がします。私は妻と共に、××公園を散歩して、滝の音を聞きつつ、秋の太陽に思う存分浴して居るのかと思いましたが、よく考えて見ると、私は寝床に居ります。