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Japanische Klassiker mit Furigana

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みっつのあざ

怪奇探偵小説名作選1 小酒井不木集

小酒井 不木

Lesen Sie 怪奇探偵小説名作選1 小酒井不木集 (みっつのあざ) von 小酒井 不木 (こざかいふぼく) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 196.140 Zeichen · 396 Bildschirme

Aozora Bunko

が、暫くすると、ぽーっとした気持になりました。が、それも束の間、そのあとで猛然として一種の不安が襲って来ました。

恐怖です。堪え難いような恐怖です。生れてからそれ迄一度も感じたことのないような恐怖に私は襲われました。いう迄もなく、また間もなく咯血が始まるだろうと思うために起る恐怖です。それはやはり「死」の恐怖であるかも知れません。然し、どういう訳か、私自身は死にもまさる恐怖だと思いました。私はそのためにそれから眠ることが出来ませんでした。恐ろしくて眠れないのです。眠ればまたきっと咯血を起すにちがいないと思うとじっとして眠れないのです。肺臓の中で破れた血管は外部からは手のつけようがありません。医師はただ黙って傍観するだけでして、止血剤など何の役にも立ちません。血管が破れたまま捨てて置く……何という恐怖でしょう。私はそれまで患者を診察しても、患者の恐怖心については一度も考えたことがありませんでした。私はその時初めて自分で病気したことの無い医師は患者を治療する資格はないと痛感しました。咯血時の恐怖さえ除いてくれたならば、咯血そのものは何でもないとまで思うに至りました。