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Japanische Klassiker mit Furigana

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みっつのあざ

怪奇探偵小説名作選1 小酒井不木集

小酒井 不木

Lesen Sie 怪奇探偵小説名作選1 小酒井不木集 (みっつのあざ) von 小酒井 不木 (こざかいふぼく) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 196.140 Zeichen · 396 Bildschirme

Aozora Bunko

ところが私も、もとより存じません。然し、あなたが、大平家から昨夜走り出して来られたことがわかった以上、警察はあなたに疑いをかけて、なおも執拗に訊問するにちがいありません。それを私は堪えられなく思いましたから、あなたのことは私にまかせてくれと願って、ここへ御伺いしたのです」

康雄はこれだけのことをすらすらと言って退けた。彼は女の姿を見れば見るほど、いじらしさが増して、恋の心が募って行った。

「御心配をかけてすみません」と、女は又もや深い呼吸を一つして言った。「けれども、私の身の上だけは、どうぞ御たずねにならないで下さいまし」

「身の上は別に御聞きするには及びません。けれども、あなたは殺人という重大な事件の渦にまきこまれなさったのです。死んだ人のことを思うと、一刻も早く犯人を見つけてあげたい気がします。あなたが、犯人でないことは、私は飽くまでも信じて居ます。ですから、少なくとも、あなたの口から犯人でないというあかしを立ててほしいのです。さもなくんば、いつまでも警察は五里霧中にさまよわねばなりません」

けれども女は返事をしなかった。

「私はまだ、あなたのお名前をさえきいては居りません。