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Japanische Klassiker mit Furigana

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みっつのあざ

怪奇探偵小説名作選1 小酒井不木集

小酒井 不木

Lesen Sie 怪奇探偵小説名作選1 小酒井不木集 (みっつのあざ) von 小酒井 不木 (こざかいふぼく) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 196.140 Zeichen · 396 Bildschirme

Aozora Bunko

奥庭といっても、大して広くはなく、数本の檜と一二本の梅と、蕾を持った霧島が三本ほど植って居て、飛石づたいに、左手に行くとそのまま、家をめぐって玄関の方へ出られるのであることがわかった。

殺人者は恐らく玄関からしのび込むようなことはすまい。きっとこの奥庭からあがって押入の中にしのび込んだにちがいない。

こう考えたので、彼は、一応、屋敷のぐるりを見て置こうと決心し、幸いに、手洗鉢のそばの沓脱ぎに、庭下駄が一足あったので、それを突っかけて、奥庭の上に出た。

前は、黒板塀で境されて居たが、右隣りと左隣りの境界には、槙の木がまばらに植えられてあるだけで、自由に出入りすることが出来た。家の左隣りに面したところは台所になって居て、物置小屋の中に色々な道具が雑然として置かれてあったが、右隣り即ち街から見て左隣りとの境に当る部分は、別に何の障碍物も置かれてなかったから、若し、人が裏の方へ出入りするならば、この部分を通路とするにちがいないと思われた。で、康雄はその部分の地面を熱心に捜し歩いた。

「おや、戸針の若旦那様ではありませんか」

突然、前方からこう声をかけられたので、驚いて康雄が顔をあげると、槙の木のむこうに一人の五十あまりの女が立って居た。