Japanische Klassiker mit Furigana
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みっつのあざ
怪奇探偵小説名作選1 小酒井不木集
小酒井 不木
Lesen Sie 怪奇探偵小説名作選1 小酒井不木集 (みっつのあざ) von 小酒井 不木 (こざかいふぼく) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 196.140 Zeichen · 396 Bildschirme
死んだ時は二十歳でした。お蝶さんは、鄙にはめずらしい美人でした。然しお蝶さんの血管には、怖ろしい毒血が流れて居たのです。一口にいえばお蝶さんは癩病の血統を持って居ました。癩病の血統のものは、非常に美人が多いということですが、お蝶さんの美しかったことも、或はそんな原因だったかも知れません。お蝶さんは十八の暮までお父さんと一しょに住んで居ましたが、そのお父さんが長い間癩病で動けなかったので村の人は誰も寄りつかなかったのであります。お父さんは何でも九州へんの武家の果だそうでしたが、今から十年ほど前に、業病故に、人目を避けるつもりでこの山奥の村にたどりついて、村はずれに家を建てて住うことになり、相当にお金を持って居た為、食うには困らず娘さんと二人で暮して居りました。ところがお父さんは二年ほどすぎると足腰がたたぬようになって、どっと寝ついてしまい、爾来四年ばかりの間、お蝶さんの手厚い看護を受けて生きて居たのですが、村人がさっぱり交際を絶って居たので、その生活は可なりに寂しいものでありました。私は癩病などを怖れませんから、時折見舞ってやりましたが、村の人はそれを快く思いませんでした。