Japanische Klassiker mit Furigana
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みっつのあざ
怪奇探偵小説名作選1 小酒井不木集
小酒井 不木
Lesen Sie 怪奇探偵小説名作選1 小酒井不木集 (みっつのあざ) von 小酒井 不木 (こざかいふぼく) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 196.140 Zeichen · 396 Bildschirme
その山はたしか、先刻あなたが通っておいでになった筈ですが、その山に、彼等は、小さな藁葺の小屋を建てて住いました。何でも飛騨の国の山奥から来たらしいというような噂がありましたが、むかしで言うと山賊の群で、彼等は夜な夜な山から村へ出て、野菜ものを盗んだり、鶏を奪ったり、勝手次第なことをしました。後には白昼に五人が徒党を組んで村中を横行闊歩し、木を伐ったり、子供をいじめたりしましたが、たまたま反抗すると、どんな恐ろしい目に逢わされるかも知れぬので、村の人たちは見て見ぬ振りをするのでありました。明治の聖代に、こんなことが平気で行われて居ようとはあなたも思い及びますまいが、彼等のような人間にかかっては警察も何の役に立ちません。暴力に対しては、より以上の暴力を用いなければ鎮圧出来ないのであります。
さてこの五人の無頼漢が、可哀そうにもお蝶さんに眼をつけたのです。いやもう、思っても恐ろしいことでした。お蝶さんは彼等に対して、恰も鷲ににらまれた雀のようなものでした。とうとう、彼等はお蝶さんの家に這りこんで来て、代る代る、お蝶さんに暴行を加え、後にはお蝶さんの家を根城として、お蝶さんを彼等の妾のようにしてしまいました。