Japanische Klassiker mit Furigana
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みっつのあざ
怪奇探偵小説名作選1 小酒井不木集
小酒井 不木
Lesen Sie 怪奇探偵小説名作選1 小酒井不木集 (みっつのあざ) von 小酒井 不木 (こざかいふぼく) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 196.140 Zeichen · 396 Bildschirme
それを見た五人のものは、馬肉屋の小僧があわてて逃げて行く拍子に、籠の中から飛び出した馬肉の塊を白が拾ってくわえて来たのだと察しました。そこで彼等は白を捕えようとしますと、白は例の如く無抵抗主義を発揮して、折角の獲物だが潔くお譲りしましょうと言わんばかりに肉塊を道ばたに置いて、我家の方へ走って行きました。
五人のものは思わぬ獲物に大に喜び、早速それを煮て一杯飲もうと相談を決し、彼等の小屋に引き上げました。これ等のことは別に私が見て居た訳ではなく、あとから知れた事実を綜合して組立てた御話ですが、それから、その小屋の中で楽しい酒宴が開かれました。薄暗いランプの光に照し出された彼等の獰悪な形相は、さながら地獄の鬼の酒宴を見るようであったに違いありません。
そのあくる日のことです。恐らくこの村始まって以来はじめてであろうと思われる怖ろしい光景が、樵夫の一人によって発見せられました。山腹にかけられた小屋の中に、五人の悪漢が死体となって横わって居たのです。こんろの上には鍋がかかったままになって居りまして、盃や徳利が狼藉を極めてあたりに転がって居たのであります。