Japanische Klassiker mit Furigana
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みっつのあざ
怪奇探偵小説名作選1 小酒井不木集
小酒井 不木
Lesen Sie 怪奇探偵小説名作選1 小酒井不木集 (みっつのあざ) von 小酒井 不木 (こざかいふぼく) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 196.140 Zeichen · 396 Bildschirme
実際、この女中が後に信之の身を滅ぼす因になりましたが、細君に持ちかねて居るところへ、細君よりも、はるかに世間的知識に富んで居る女があらわれたのですから、やがて、どんなことが起るかは皆さんにも大方想像されるだろうと思います。而も、これまでの女中は、信之が言い寄ると、みんな、すぐ様暇を取って帰って行ったのに、沢は逃げるどころか、却って彼に対して一種の好意を見せて居るようなので信之の心はすっかり掻き乱され、彼の沢に対する恋は日に日に猛烈になって行きました。
すると、友江さんは、精神に異常を来しながらも、信之の沢に対する心持を感知したと見え、はげしい嫉妬にかられては、沢の頸筋をつかんで殴ることさえ屡々ありました。然し沢は、何か野心を持って居たと見えて、ただ笑って居るだけで、少しも、つらいとも居にくいとも申しませんでした。これを見た信之は益々友江さんを憎んで、沢に同情し、遂に友江さんを、土蔵の中に監禁すると言い出しました。沢は始め反対しましたが、結局信之の言葉に従って、友江さんを土蔵に押しこめました。けれど、沢は深切に友江さんの面倒を見ました。土蔵の戸の鍵は沢が預って居て、友江さんの食事も土蔵の掃除も沢がかかりきりでしたが、信之は、友江さんを監禁してから、一度も見舞に行きませんでした。