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Japanische Klassiker mit Furigana

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みっつのあざ

怪奇探偵小説名作選1 小酒井不木集

小酒井 不木

Lesen Sie 怪奇探偵小説名作選1 小酒井不木集 (みっつのあざ) von 小酒井 不木 (こざかいふぼく) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 196.140 Zeichen · 396 Bildschirme

Aozora Bunko

かくて、近藤進を除くことが出来、あの鼻を永久にこの世から消し去って、はじめて自分は安心して生活することが出来るのである。自分は晴れやかな気持になって家に帰った。

けれども新聞を見るまではさすがに案じられた。電球一ぱいの火薬がどれほどの威力を持つかは未知数であった。ところがあくる日の新聞は自分の予想を裏切られなかった。そうして過失死と断ぜられて事件は落着した。自分は永久に安全地帯に置かれたのである。

エドガー・アラン・ポオの小説を読むと、他人の眼を忌んで殺人を行う話がある。けれども鼻を忌んで殺人を行った人間は古往今来自分一人であると思う。そうしてその珍らしい動機にふさわしい方法で殺人を遂行したことは、あの鼻を除いた以上に自分に得意の感を与えてくれた。

こうしてだんだん犯罪をかさねて行くうちに、若しや自分は、面白さのあまり自分の姉さんまでも殺してしまいはしないかと不安に思う。近頃何となく、姉さんの腕の白過ぎるのが気になり出して来た。早くこの邪念が去ってくれたらと、なるべく姉さんの腕を見ぬようにつとめて居るのである。

読み終った由紀子は、眩暈を感じてその場に膝を折った。