Japanische Klassiker mit Furigana
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しんせい
新生
島崎 藤村
Lesen Sie 新生 (しんせい) von 島崎 藤村 (しまざきとうそん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 334.815 Zeichen · 663 Bildschirme
七十
に見えた。
七十
その小さな珈琲店はヴァル・ド・グラアスの陸軍病院の方からサン・ミッシェルの並木街へ出ようとする角のところに当っていて、狭い横町の歩道を往来する人の足音が岸本等の腰掛けた部屋から直ぐ窓の外に聞えていた。
よく働く仏蘭西の婦女の気質を見せたような主婦は決して娘を遊ばせては置かなかった。何時来て見ても娘は店を手伝っていた。しかし主婦は四方八方に気を配っているという風で、客の注文するものもめったに娘には運ばせなかった。店がいそがしくて給仕の手の明いていないような時には、主婦の妹が奥の部屋へ用を聞きに来た。さもなければ主婦自身に珈琲なぞを運んで来た。どうかすると奥の部屋の片隅では親子揃っての食事が始まる。シモンヌも来て腰掛ける。客商売には似合わないほど堅気な温かい家庭の図が見られることがある。こうした部屋に旅人らしく腰掛けて、岸本は岡から娘の噂を聞いた。
「あれで主婦はどれ程娘を大切にしてるか知れないんですね。僕がシモンヌを芝居に誘ったことが有りました。それをシモンヌがお母さんのところへ行って訊いたというもんでしょう。その時主婦は、『そんなことが出来るものかね』