Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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しんせい

新生

島崎 藤村

Lesen Sie 新生 (しんせい) von 島崎 藤村 (しまざきとうそん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 334.815 Zeichen · 663 Bildschirme

Aozora Bunko

七十七

何時逢って見ても若々しいこの客のような人を異郷の客舎で迎えるということすら、岸本にはめずらしかった。よく身についた紺色の背広の軽々とした旅らしい服装も一層この人を若くして見せた。

「岸本君は巴里へ来て遊びもしないという評判じゃ有りませんか。そんなにしていて君は寂しか有りませんか」

と客が言って笑った。

「これで岸本さんも万更遊ぶことが嫌いな方じゃないんだね」と岡は客の話を引取って、「人の行くところへは何処へでも行くし、皆で集って話そうじゃないかなんて場合に、徹夜の発起人は何時でも岸本さんだ。『色地蔵』だなんて岸本さんには綽名までついてるから可笑しい。恋の取持なぞは、これで悦んでする方なんだね。そのくせ自分では眺めてさえいれば可い人だ」

「だけれど、君、旅に来たからと言って、何もそんなに特別な心持に成らなくても可いじゃないか。国に居る時と同じ心持では暮せないものかねえ」と岸本が言出した。

七十七

一切のものの競い合う青春が過ぎ去るように、さすがに若々しく見える客も時の力を拒みかねるという風で、さまざまな旅の話に耽ったが、岡と一緒にその人が出て行った後まで種々な心持を岸本の胸に残した。