Japanische Klassiker mit Furigana
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しんせい
新生
島崎 藤村
Lesen Sie 新生 (しんせい) von 島崎 藤村 (しまざきとうそん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 334.815 Zeichen · 663 Bildschirme
その思いをすれば節子はいくらか瘠せ細ったかと思われる位で、短く切れたという髪でさえ見たところさ程には彼の眼に映らなかった。けれども、これは唯一時彼を安心させたに過ぎなかった。以前とは違って節子の弱くなったことが、次第に兄や嫂や祖母さんの口から泄れて来た。
「お前が帰って来てから、あれで気を張っているものかも知らんが、あんなに朝も早く起きるようなことは節ちゃんとしては、まあ開闢以来だ。どうかすると部屋の掃除をする元気もない。自分の寝床を畳むのがもう精々――そんな日がこれまでにいくら有ったか知れない。お前が留守の間はまるで寝て暮した様なものだぞ。稀に外へ使に出してやれば電車の中で気が遠くなるなんて――ヤカなものだわサ」
こう義雄は田舎訛の混って出て来る調子で岸本に話し聞かせたこともある。その調子は、鈴木の姉のように慎み深いか、亡くなった甥の太一の細君のように賢いか、田辺の家のお婆さんのように勇気があるか、でなければ女として話にならないという風で。
矢張実際の節子は岸本が心配した通りであった。それほど弱々しい人で、しかも水いじりは勿論、針を持つことさえ覚束ないというほど手の煩いに附纏われているような人で、どうしてこのまま家庭の人と成ることが出来ようかと危まれた。