Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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しんせい

新生

島崎 藤村

Lesen Sie 新生 (しんせい) von 島崎 藤村 (しまざきとうそん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 334.815 Zeichen · 663 Bildschirme

Aozora Bunko

三十三

岸本が三年振で義雄兄の家族と合せにくい顔を合せた時、彼の眼に再び映った節子は思ったより小柄な人であった。恐らく巴里の下宿の主婦の姪なぞに思い比べて来た眼で、節子と同年になるというあの髪の毛の赤く骨格の立派なリモオジュ育ちの仏蘭西の女なぞに思い比べて来た眼で、急に自分の姪を見た故ででもあったろう。こうして一緒に連立って外出して見るとさすがに三年の間の節子の発達が岸本にもよく感じられた。彼女は狭苦しい籠の中から出て来て、実に幾年振かで、のびのびと夏の朝の空気を呼吸する小鳥のようであった。家に燻ぶっている時とも違って、その日の節子はつくり勝りのする彼女の性質や、目立たない程度で若い女が振舞うような気取りをさえ発揮した。

子供等は足の遅い節子を途中で待受けるようにしては復た先へ急いで行った。節子はこうした日の来たことを夢のように思うという風で、叔父と一緒に黙し勝ちに清正公前の停留場まで歩いた。

三十三

新宿まで電車で行って、それからまた岸本は子供等や節子と一緒に大久保の方角を指して歩いた。

岸本が心配して行ったほど節子は疲れたらしい様子も見せなかった。この弱い姪をいたわることから言っても、彼はなるべく自分の歩調をゆるめようとした。