Japanische Klassiker mit Furigana
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しんせい
新生
島崎 藤村
Lesen Sie 新生 (しんせい) von 島崎 藤村 (しまざきとうそん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 334.815 Zeichen · 663 Bildschirme
「もう少し待って下さい。出来ると直ぐに呼びますからね」
と輝子は手を振って子供等を制するようにした。
「節ちゃん、お父さんは何処にしましょう」と復た輝子が妹の方を見て言った。「お父さんにはお皿につけて進げる方が好いわねえ。それじゃお父さんにここへ坐って頂いて、それから順に子供に並んで貰いましょうか」
「この台が少し狭いのねえ」と節子が言った。
「もし台が狭かったら、俺だけは別に膳にしても可いぜ」と主人役の岸本は一寸そこへ差図しに行った。
「じゃ。そうして頂きましょうか」と輝子が言った。「節ちゃんと私とがこの角へ坐りましょう。お鍋を一つ台の上に載せましょう。煮ながら頂きましょう」
「叔父さん、もうそろそろ坐って頂いてもようござんすよ」と節子は岸本を見て言った。
この準備が出来たので、岸本は義雄と中根の居る部屋の方へ行って、
「義雄さん、なんにも有りませんが、どうぞいらしって下さい。さあ中根さんも、どうぞ」
と言い入れた。
九十九
二つの焜炉に掛けた鍋の中の脂肪はふつふつと沸き立った。柔かそうに煮えた葱や、色の変って来た鳥の肉からはさかんに気が立って、うまそうな香気を周囲に蒔き散らした。