Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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しんせい

新生

島崎 藤村

Lesen Sie 新生 (しんせい) von 島崎 藤村 (しまざきとうそん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 334.815 Zeichen · 663 Bildschirme

Aozora Bunko

その時節子は何か思い出したように、行火にあたりながら涙ぐんだ。

「よく私は吾家のお父さんにそう言われますよ――愛宕下へ行って帰って来ると、まるで一日二日は腑抜けのように成ってしまうなんて」

「お前もまた面白くないなんて、寝たりなんかしちゃ不可サ」

「なんですか姉さんが帰って来てから、余計にお父さんの調子が違って来ました。私は人間じゃ無いようなことを言われて……」

「何と言われたって可いじゃないか――そんなことを気にしたところで仕方がない。そういう苦い反撥心を捨てるサ」

「…………」

「そこがお前、懺悔の心じゃないか。何も修道院や尼寺まで行かなくたって、宗教というものは有るものだろう。谷中の家を直ぐに寺院だと観る訳には行かないものかね。俺はまあそう思うんだが、反抗したところで無駄だと思ったら、そういう反撥心を捨てて掛るんだね」

「…………」

「お前と俺とは、もうここまで来たものだ。行くところまで行くより外に仕方が無いサ。こんな日蔭者のような調子で、これが遣り切れるものかね。もっと生きて出ることを考えようじゃないか――」

子供が学校から帰って来てからは二人はもうこんな話をしなかった。