Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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しんせい

新生

島崎 藤村

Lesen Sie 新生 (しんせい) von 島崎 藤村 (しまざきとうそん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 334.815 Zeichen · 663 Bildschirme

Aozora Bunko

彼女は最早「幽霊」でもなければ「片輪」でもなかった。

「委しいことを話して見なければ解らんが――」と義雄は例の手強く出る調子で言った。「こないだ布施が来て――布施と俺とは大の仲好しだから、あの男が言うには、『君の許には未だ嫁かない娘さんがあるようだが、他へくれても可いのか』と俺に訊いた。『くれても可いどころじゃない』と俺が言うと、『よし、そんなら僕が仲人に立とう』と。そこで貰おう、くれようという話が始まった。何しろ、先方の家の財産は五万円から有るというんだ。おまけに布施の方では、一切是方のことは調べないと言うんだぜ。こんなウマい話は一寸無いサ。節ちゃんももう好い歳だから、こんな好い貰い手のある時に俺の方では嫁けてしまいたいとそう思うんだが、彼女が不承知だ。いろいろそこにはゴタゴタしたことがあって――俺の方で少し言い過ぎたようなこともあったが――何だか、昨夜なぞは節ちゃんの様子が変だ。遅くまで掛って荷物なぞを片付ける音がする。家でも出てしまうんじゃないかと、祖母さんは心配する。丁度また妙なことがあるもので、祖母さんが一ちゃんに買物に行ってお出と言って、五円札を一枚長火鉢の上に載せて置いたところが、その五円札が失くなった。